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読んだその日から行動しはじめるキッカケを創ります。

千葉県の某高校野球部監督から聞いた③「選手に考えさせる工夫」


こんにちは、完伍(@kangohayashi)です!


先日、千葉県の某高校野球部を訪問し、取材&練習見学してきました。

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今回は「選手に考えさせる工夫」について。

監督さんの答えは、至ってシンプルでした。

放置する

完伍:子どもたちが指示待ちにならず、自分で考えて行動するきっかけを作るために、どのような工夫をされていますか?


監督:放置です放置。「自分で考えろそんなの」と。
「じゃあ帰るねー」っていう感じで。それで失敗して覚えてもらう。


完伍:それでも、自分で考えてもらうことは難しいんじゃないですか?


監督:放置したらやるし、結局指導者って不安なんで安心を得たいんですよ。
そして、自分の思い通りにいくと考えている人が多くて。
「そうしなかったらダメ」っていう、すごいカチッとはめたがっちゃうんですよね。

こういう風に考えて動いてほしいと思うことがあるのなら、まず自分がやって見せればいい。
雨が降りそうだと察して道具を小屋に入れさせたいんなら、自分が動けばいい。
指導者が道具を運び出したら動くでしょ普通に。
そういうノリです。


なぜ?を繰り返す

完伍:試合中のサインを限定することに関して、どうお考えですか?


監督:練習試合なんかサイン出さないですよ。時期によりますけど。
普段やっている練習とリンクさせて考えているのかな?っていうのをチェックしています。
試合が終わると、なんでそうしたの?なんでそうしなかったの?って聞く。


完伍:やっぱりなんで?って聞いてあげることが大切ですよね。


監督:そうそう。
こうしろああしろっていうのは、夏の大会直前のような本当に時期が差し迫った時だけですね。
サインなんか練習試合で出さないです。ボーッと見てます。
普段練習で取り組んでいることができていればok、それだけなんで。


練習メニューは子どもたちに考えさせている?

監督:それは絶対しない。コーチと僕とで考えている。
選手たちが設定した目標から逆算をして、スタッフ陣でコミュニケーションをとりながら日々考えている。


完伍:子どもたちに一部でも任せることはないんですか?


監督:自主練は自分たちの好きなようにさせる。
意識的な部分でプロレベルまで引き上がっている子に対してはすべて任せるけど、高校生でそんな子はいないから。


完伍:やはり高校生には難しいと。


監督:ある程度、量的な部分はこっちで用意しておかないと難しいですね。


さいごに

子どもたちに「考えて行動する習慣」を身につけてもらうには、指導者が過保護になりすぎないことが大切ですよね。

すぐに答えを教えず「なんで?」と繰り返し聞いてあげること。


ただ、「勝つこと」を第一目標に置いていると、遠回りな指導は簡単にできることじゃないなと感じます。

高校野球の世界では、甲子園に出場すればすべての指導が肯定されてしまう(体罰はダメ!)ところがあるので。


「指示するんじゃなく、やって見せる」というのは、子どもたちの考えるきっかけをつくる手段として、有効なんだろうなと感じました。

自ら率先して動くことは大変だけど、ただ言葉で説明すること以上に指導者の思いが伝わるのかもしれないですね。


練習メニューを選手に任せることに関して、考え方は色々あると思います。

ボクは、時間をかければ可能だと思うんですけど、果たしてどのくらいの時間をかけたら選手自らがメニューを組み立てられるのか、まるで想像がつかない。

こればかりは、現場経験を積んでみないとわからないです。


次回は、「セカンドキャリア問題とNPB」について伺った内容を掲載したいと思います。

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千葉県の某高校野球部監督から聞いた②「選手のモチベーションを保つ方法」


こんにちは、完伍(@kangohayashi)です!


先日、千葉県の某高校野球部を訪問し、取材&練習見学してきました。

▼前回の記事はコチラ
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甲子園に出るというよりも、「みんなで一生懸命取り組み、野球から学びを得ること」を部の目標に設定している同校野球部は、子どもたちのモチベーション管理に工夫をされています。

選手との関わり方に気を配るのはもちろん、楽しんだり頑張ろうと思える仕掛けを用意しているんです。

目標設定について

完伍:「みんなで頑張ろう、みんなで野球から何かを学ぼう」という部の目標を、定量的に落とし込んでいないんですか?


監督:それは個人個人の価値観だから落とし込んでいない。
ただ、例えば大会メンバーを外れた子が「もうつまんない」と思っている時点で、それが1人でもいたらダメだなと思っている。

だから、例えば部員が30人いたら30人がそうならないようにするのは、甲子園に行くことよりも難しいのでそれを目標にしている。
しかもやらされている感じじゃなくて。

母校愛とか帰属意識とかが自然と芽生えれば、指導というとおこがましいけど、一緒にサポートさせてもらった甲斐があったなと思う。


子どもたちとの関わり方について

完伍:面談はされるんですか?


監督:やりますね。僕MTGはしないので。


完伍:マニュアルを配っているからですか?(ピンとこない方は前回記事をご一読ください)


監督:それもあるし、でもそんなの子どもたちが見ているか見ていないのか正直わかんないですよ。
基本的に、友達と話すような感じのコミュニケーションの取り方なんです。
「お前ちょっと来いよ、ウエイト一緒にやろうよ」と。


完伍:体を一緒に動かしながら会話するんですね。


監督:「キャッチボールやろうよ」とか、そんな感じなんですよ。
バッティング練習していたら、僕も打席に入って見本を見せたり。

ただ、普通の先輩後輩のような雰囲気でいるけども、仕事上監督という立場なので、ある程度線は引かないといけない。
それを引いてくれるのがコーチ。
コーチは、僕が取材とかで練習にいないことがある時に、選手たちに説明してくれるから勝手に距離ができますよね。


完伍:先輩後輩のような雰囲気だけど、監督は監督なんだと理解してもらえているんですね。
すごいですね。なかなかそこまで選手と距離を近づける監督さんはいないと思います。


監督:別に自然だよ。
自分らしくやっているだけ。


完伍:ホントに上下関係というか水平関係ですよね。


監督:そうそう、だから子どもたちに「お前ら人間ってのはこうあるべきだぞ」とは言わない。
僕もまだまだ未熟だから。


完伍:謙虚ですね。


監督:いやいやおれクズだから。笑
すごい悪いこともしたりするというか、飲むのも好きだし。笑
そんな子どもたちに褒められた行動を常にしているわけじゃないから。
だからそこに対しては言わない。

ただ、弱い者をいじめたり偉そうにしたり、人に物事を頼みすぎたりしている時は思いっきり怒る。
それは親と同じですよ。普通に。
それ以外はどんなことがあっても、「なんかちょっと上手くなったなあ」と褒めるだけ、そんな感じ。


へー。(ただただ驚く)


監督:それが自然にできないと、教えている意味はないというか関わっている意味がない。


頑張って取り組める仕掛けづくりについて

完伍:僕ビックリしたんです。
最初グラウンドに入ったら選手たちが踊っていたので。
すごくおもしろいなと思って。


監督:ポップでしょ?笑


完伍:ポップです。笑
楽しく準備ができて、すごくいいなと思って。


監督:僕は現役時代ピッチャーだったので、みんなで揃ってやるのが鬱陶しいんですよね。


完伍:鬱陶しい。笑


監督:自分との対話をすごく大切にしていたから、ピタッと揃って声を出して走るのが...


完伍:足並み揃える意味ないですよね。


監督:そう、意味ねえじゃんって思っていたから。
だからトレーナーに頼んで、肩甲骨と股関節を連動しながらリズムが取れるようなメニューを作ってもらったんです。
で、それ以外の部分は個人で自由に準備していくと。


完伍:頑張って取り組める仕掛けづくりについて、他に具体例はありますか?


監督:今年導入したのは、「プレゼンをしてもらうこと」。
自分たちが今年1年間どういう風にやっていくのか、どうしたいのか、どうなりたいのかをチームで考えてもらう。
それを、新チームが発足したタイミングでチームとして発表してもらう。

ピッチャー陣としてどうなりたいのか、野手としてどうなりたいのか。

こっちは、目標設定に必要な数値を提示することはできるけど、行動目標まで決めたらやらせていることになるし、それに対してできていなかったら何回も繰り返して怒んなきゃいけないから、自分らでそんなのやれよ、勝ちたいんなら勝ちたいなりにやればいいじゃんっていう感じです。


完伍:ということは、選手たちの目標を加味して、指導者のみなさんで日々練習メニューを決めていくんですね。


監督:そうですね。
こっちはその選手のポテンシャルに応じて、バランスもあるし、相当考えてメニューを作ります。


完伍:それはずっとされていることなんですか?


監督:毎年取り組みを変えています。
子どもたちや学年の雰囲気は年ごとに違うので。


完伍:ではプレゼンをしなかった年もあったんですね。
実際目標を決めでプレゼンをした学生たちは、頑張り続けられているんですか?


監督:こと段階によるんですよね。高校生は。
ウチのチームなんかは、年々能力の高い選手が入ってきている状況で。
そもそも、ウチへの入り方が野球名門校さんとは違うんですよ。
もともとモチベーションをもっている子たちが入ってくればいいけど、もっていない子たちはもっと前段階のことから教えていかなきゃいけないからすごく難しい。


さいごに

MTGをせず、日ごろから積極的に子どもたちと接して相談に乗ったりアドバイスをしたり。

尊敬できる監督さんがお兄ちゃんのように親身になってくれたら、そりゃあ頑張ろうと思いますよね。


選手のモチベーションを保つ工夫について、色々な角度から試せるものがあるなと気づきました。

ひとつ言えるのは、「無駄なことはしない」ってとても大切だよねってこと。

足並みを揃えて走るとか、カラ元気を出すとか、行動目的を説明できないことを選手に求めると不信感が募っていくと思うんです。

特にこの時代、情報源はいたるところにあって。


例えば、「ウチの野球部では朝から晩まで走らされているけど、他の学校は3時間で練習が終わっている」なんて情報もインターネットを使えば簡単に手に入るわけです。

そうすると、ウチの監督の考え方おかしくないか?と疑ってしまいますよね。


あの手この手で工夫を凝らすのはもちろん、昔からそうだからという理由だけで、説明のつかないことを無理強いすることは避けていきたいところです。


次回は、「選手に考えさせる工夫」について伺った内容を掲載したいと思います。

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千葉県の某高校野球部監督から聞いた①「甲子園に執着しない指導法」


こんにちは、完伍(@kangohayashi)です!


先日、千葉県の某高校野球部を訪問し、取材&練習見学してきました。

今秋の大会で大活躍するほど実力のある野球部なんですけど、従来の"THE高校野球"的な考え方を一切もたず、指導者としては「甲子園出場」を目標に掲げていないようです。

そこには、監督さんならではの哲学がありました。

勝ちにこだわらず指導する

完伍:先ほど、指導者の方は勝ちたいというより「勝たせてあげたい」と考えるのが自然とおっしゃっていたじゃないですか?
なんですけど、強豪校では勝利至上主義で甲子園を目指す指導者の方が多くって。
それってきっと、外部契約で結果を残さないといけない立場だからだと思うんですが、それについてはどのようにお考えですか?


監督:親が子どもに活躍してほしいと思うように、その指導者の方々にとって「甲子園は見ていない世界」だからじゃないですか?わかんないけど。


完伍:見ていない世界だから?


監督:だから押しつけちゃうと思うんですよ。
自分の野球人生は終わっているはずなのに延長させて、「自分が出たい」っていう感じになっているんじゃないかと。
僕はそう思います。


完伍:うーん。なるほど。


監督:僕は「甲子園は良いところだったな」とは思うけど、甲子園がすべてじゃなくて、野球をやっていて良かったことはそれ以外にもいっぱいあった。


完伍:監督さん自身、高校時代に甲子園に出場されていますよね。


監督:そうそう。でも、それで酒のつまみにはなんないから。
「あの時勝ったよな」とかそういう話にならないじゃないですか。


完伍:別にならないですね。


監督:「あの時辛かったよな」とか「こういう時こうしてたよな」とか、そういう話で10年20年ずっと酒を飲んでいるので、あんまり甲子園に対してこだわりがない。なんでそこまで勝ちたいって思うんだろう?
まあ、勝たせてあげたいとは思うけど、そこまで固執するほど魅力あんのかな?って。


完伍:勝つことだけを目的に根性論や精神論を説くのはおかしいですよね。


監督:うん、だだ自分の指導法を否定するのってなかなかできないから、そこは正しいと思っちゃうんだろうけど。
子どもも親も変わってきてるんでね。社会は変わってきているし。

じゃあ自分が現役の時代は、その指導法で良かったのかというとそうではなくて、ずっと辞めたいと思っていたから、高校時代は。笑


完伍:わかります。笑


監督:根性論や押し付け指導は意味がないなと思っていました。
高校時代の恩師を尊敬していますけどね。けど、それと一緒だと間違うし。
だから僕は、勝つという結果に対して注目するよりも、もう少しみなさん野球界全体のことも考えてやってほしいなと思います。


上下関係ではなく兄弟関係を築く

完伍:「勝つことよりも、一生懸命取り組んで野球から学びを得ることが大切」など、監督さんがお考えのこと(方針)は、子どもたちに100%伝わっていると自信をもって言えますか?


監督:いや、言えないから、ウチはマニュアルみたいなものを作って配っている。
それは何かと言うと、今僕は上下関係をあまり作りたくないんですよ。
お兄さんは弟に優しく教えてあげる、若い子がミスしたら「いいよ大丈夫ですよ」っていうくらいのノリがないと、俺らが教えてきた意味ないよねっていうところがあって。

例えばボールの磨き方とか、グラウンド整備の仕方とか掃除の仕方とか色々あるじゃないですか、野球って。
そう言う細々したことって、昔は上から下に厳しく指導されていたと思うんですよ。


完伍:一球でも綺麗にボールを磨けていなかったらずっと走らされるとか。


監督:そういうのも面倒くさいし、そういうことをする必要はないと思っているから、マニュアルで挨拶の仕方とかもはじめ研修みたいな形で、社会人研修みたいな感じで伝えます。


完伍:親御さんにもご出席いただくんですか?


監督:子どもたちだけ。新入生が練習する前にそう言った話をして統一している。
そうしておくと「なんでできてないの?」っていうだけだから。ダメじゃんって。
じゃあやり直そうかってなる。単純にそういうこと。

だって、はじめて入った環境に対して、プロの世界でさえ研修で学ぶ時間があるわけで。
それが高校野球では、上下関係の中で指導されるっていうのがあんまり良くないなと思っていて。


完伍:監督さん自身は、上下関係の厳しい世界で生き抜かれてきましたよね。
今いる指導者の方々も、きっと自分がそうだったから下の世代にも同じように振る舞うことを求めている方々がほとんどだと思うんですけど、監督さんが「それじゃダメだよね」と気づいたきっかけは何だったんですか?


監督:やっぱり社会人の時の経験が大きい。
社会人とかプロの世界は、わりかし謙虚な指導者の方が多いというか、包み込んでくれる方が多いんですけど、小中学校の指導者の方は虚勢を張る偉そうな人が多いんですよね。なんか。
高校野球までしかやっていない子どもは、それが正しいと思って終わっちゃうじゃないですか。
で、高校野球までしかやらない子が圧倒的に多いでしょ?


完伍:多いですね。


監督:それが正しいと思って、それを下の世代に押し付けていっちゃうんで、俺絶対それやだなと思って。
だからそうやって、僕らが新しい教育の形・指導スタイルを提唱していくしかないと思っています。


さいごに

トップダウン指導や厳しい上下関係を排除すると、組織の統制を取ることが難しくなると考えられています。

だから「勝つ集団をつくる」ことを主目的に置いた場合、遠回りになるでしょう。

監督さんの指導法は、子どもたちのことを一番に考えているからこそ実践できることですよね。


話を聞けば聞くほど、監督さんの子どもたちに対する思いに触れられ、感動します。

すこく優しいんですよね。


また、子どもたちに指導者の考えを100%理解してもらうために、マニュアルを作って配るという手法を取ったことに素晴らしさを感じました。

ご自身が、現役として高いレベルの世界まで行き着いたからこそ得られた視点でのエッセンスが今の指導に生かされていて、とても勉強になりますよね。


次回の記事では、「選手のモチベーション管理」について伺った内容を掲載したいと思います。

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